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戦略的コミュニケーションの在り方「世界の一流は「雑談」で何を話しているのか」

ずっと前に図書館に貸出予約をしていたピョートル・フェリクス・グジバチ「世界の一流は「雑談」で何を話しているのか」が、用意ができたというので借りた。正直、最近の自分は自己啓発系の本を読みたい気分ではなかったのだけど(しかも「世界の一流は…」とかいう名前の本を外で読むのは少し恥ずかしい。)、過去の自分が、どこかでこの本が良いという評判を聞きつけて予約していたのだろうから、せっかくなので読んだ。

「雑談」というと、「今日も暑いですね」とか「最近忙しいですか」とかそういう当たり障りのない会話が思い浮かぶけど、著者の言いたいところを自分なりに理解したところによれば、「雑談」は様々な目的を達成するためのワンステップとして貴重な機会であり、有効に使うことを心がけることで、積み重なって大きな成果を産むものになるということだと思った。

雑談を「自己開示」の場をして捉えることで、相手に対する自分の存在を意味付けることができる。相手を知ろうとする好奇心を持って相手の価値観、信念、期待に踏み込んだ質問ができれば、長期的なパートナーとして関係を築きたいという気持ちが伝わり、すぐには劇的な成果が得られないかもしれないが、関係が繋がっていくことになる。

振り返って自分が普段仕事でお客様などを迎え入れるときを考えてみると、ロジ面では割としっかりと準備するけれど、ソフト面というか、その人やその属するチーム、組織、業界、国などについて深く知って準備しておこう、という視点はあまりなかったように思われる。おそらく無意識のうちに、特に長期的な関係を築くことがあまり重要でないと考えていたのかもしれない。なんとなく仕事が「お仕事感」を帯びてくるのは、そこから生まれる人間関係が生み出すダイナミズムなどを信じられていないし、期待してもいないからだろうか。

スモールトークから始まって、本題に入るときにも、このインタラクションからどのような結果に繋げていきたいのかを意識すると、いろいろなコミュニケーションがもっと楽しく、生産的でワクワクするように思えてきた。いよいよ組織の雰囲気も前向きで明るいものに変わってきたし、ここはチャンスのように思えてきた。

あの人にこんな話をしようかとか、こういうふうに接してみようかとか、いろんな人の顔を思い浮かべながら読んだ。その人の名前や思い描いでいる会話の内容をここに書けないのが残念だけど、あれこれアイデアが浮かんだ。さっそく明日から、いろいろ試してみたいと思う。

カテゴリー: 読書