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レジリエンスは育てられる。「運動脳」

念願だった職場に異動となって最初の2週間が経過した。が、今の心境を隠すことなく言うとするなら、「重圧に押しつぶされそう」といったところだ。

変化には当然伴うことだとは分かってはいる。でも、仕事の進め方が違う、人間関係が違う、求められているものが違う、といった調子で心と身体が追いついていかない。やるべきことがあまりにも多過ぎて、そしてそれがうまくできないので自信を無くしていく。常に時間に追われて焦燥感に駆られる。早起きしてなるべく朝に仕事をしようとするが、疲弊していて起きられない。

このままでは絶対にやられると思った。ので、ある日の夜、仕事を全部放り出してランの練習会に行った。そこで1時間強、頭を空にしてひたすら走った。GARMINがパフォーマンスコンディション「+6」(初めて見た数字だ。)を出してくれるぐらいに気持ちよく、飛ぶように走れた。感じたことのないような高揚感を得た。次の日の朝の気分も最高で、いくらでも仕事ができるような気分で一日を過ごすことができた。

以前、オリンピアンの関根明子さんから、アンデシュ・ハンセンの「運動脳」を読むべきだと勧められていて、だいぶ前に買ってはいたものの積読になっていた。今こそ読むべき時だと思った。脳は、継続的な運動によって物理的に変化させていくことができ、それにより、ストレス耐性、集中力、記憶力、創造力などを高めていくことができるということだった。

自分の脳が物理的にどのように変化したかを確認できないから、実際のところは分からない。でも、これが正しいことを自分は知っている。継続的にトレーニングしてきたことにより、レジリエンスは確かに高まっていた。長時間、集中を切らさずに仕事ができるようにもなっていた。先週はリフレクションについて考えたが、習慣的な運動による脳の成長と、リフレクションを通じたメタ認知からの行動の変容の組み合わせは、車の両輪のように、自分を支え、前に進む推進力をくれる。必ずしも爆発的なものではないが、静かに、芯の通った、着実なエネルギーとして蓄積されていく。知らないうちに、こんなに強力なツールを手に入れていたのだ。

さて、もう一度今の心境を言うと、「重圧に押しつぶされそう」なのである。だから、明日は朝からトレーニングをして、何だかよく分からないけど脳の特定の部分を育てて、その重圧と「共にある」ことを選択して、この機会を活かしてより前へ、その一歩を踏み出すつもりだ。

カテゴリー: 読書