熊平美香「リフレクション 自分とチームの成長を加速させる内省の技術」を読んだ。いつもながら荒木博行さんのBookCafeの対談放送で熊平さんの存在を知った。「認知の4点セット」(意見・経験・感情・価値観)を基礎に、リフレクションの基本的な5メソッド(自分を知る、ビジョンを形成する、経験から学ぶ、多様な世界から学ぶ、アンラーンする)を紹介し、これらをリーダーシップの強化、自律型学習者の育成、組織づくりへと応用させていく方法について詳しく説明されている。
自分の経験上、内省が有効であることに疑いようはないが、普段メモ書きをしている時も、「今日は何から書こうか…」などと逡巡することも少なくない。認知の4点セットの枠組みで、また、基本的な5メソッドの切り口で内省を始めることは効率が良く、かつ、テーマや的確な問いを用意してくれているので効果的でもある。毎日の内省の他にも、今後訪れるであろう色々な転機のときに行う内省にきっと役立つと思う。
さっそく「自己変容のためのアンラーン」を試してみた。もっと深掘りできそうだけれども、とりあえずその成果を以下に書いてみた。これで初めて気付いたことは、自分は、予想外のことにペースを乱されることを嫌っていて、そのために自分が犠牲になっているような感情を持っていたということだった。しかし、明日からは、予想外のことは必ず起きることを前提に、これを成長のための機会と捉えて、自分から積極的にペースを変えていくことにした。
【STEP1 改善目標のテーマを選ぶ】○改善目標のテーマは何ですか?→「何かを犠牲にすることなく、家族の幸せ、仕事での成果、心身の健康、新たな学びを同時に成し遂げたい。」○改善目標について、どのような経験がありますか?→「トライアスロンの練習やこれに伴う出会いから、外に出て新しいものに触れることで、自分の幅が広がり、人生が充実して、仕事にも良い影響があった。念願の仕事ができるようになったが、5年前までは、仕事が第1順位に来ていて、家族や、仕事以外からの学びをおろそかにして、家族を苦しめたし、職業人としても未熟だったと思う。」○その経験には、どのような感情が紐づいていますか?→「(新しい発見、学びへの)喜び、(家族を犠牲にしたことへの)罪悪感、悲しみ、(仕事がうまく行ったことの)嬉しさ。」○そこから見えてくる、あなたが大切にしている価値観は何ですか?→「信頼、愛情、視野の広がり、交友関係、良質な仕事、バランス、努力。」
【STEP2 改善目標を決めるために、改善前の行動と恐れの感情を洗い出す】○改善前の行動は、どのようなものでしたか?→「朝、ゆっくり出勤し、何となくダラダラと深夜まで残業していた。その間、集中が続かずダラダラしていた。子どもが自分を必要としていると気づいているのにスルーした。SOSサインが出ていることを認識しながら積極的に介入せず、押し黙った。」○改善前の行動に基づく恐れの感情は、どのようなものですか?→「完璧なものを提供できないために失望されるのではないかとの不安、調べきっていない、考えきっていないのではないかとの不安、目の前の課題に対処することにより十分に休息が取れず、自分が疲弊してしまうのではないかとの不安、全てのことを完璧にしたいのに時間がないという焦燥感、自分の計画を乱されることへの怒り、不快感。」
【STEP3 感情の背景にある価値観を掘り下げる】○何を大切にしているから、その感情になったのでしょうか?感情に紐づく価値観を洗い出してみましょう。→「調べ抜き、考え抜かれた上での質の高い成果、規則正しく規律ある生活のリズム、健康、精神の余裕、自己肯定感。」○その価値観は、どのような経験によって形成されたのでしょうか?→「特定の分野で結果を残した人として評価されたこと、生活のリズムを整え、計画的に行動したことにより目標を達成したこと。」○その価値観が人生の助けになるのは、どのようなときですか?→「質の高いアウトプットが求められているとき、ステークホルダーからの期待値が高いとき、タスクが予測可能なとき。」○その価値観が人生を難しくするのは、どのようなときですか?→「突発的に予想できなかったトラブル等が発生したときに、対応に追われ、自分のリズムが乱され、台無しにされたように感じる。」
【STEP4 自己変容のビジョンを明確にする】○自分自身の何を変えたいですか?→「やりたいこと、やるべきことが多く、また、突発的なトラブルが起きたときも、心の平穏を保ち、質を損なわないまま、対応できるようになりたい。」○改善目標に取り組むと、どんなよいことがあるのでしょうか?あなたは何を手に入れるために、自己変容にチャレンジするのですか?→「家族が自分を必要とするときにそこにいることができ、かつ、仕事でもしっかりと成果を上げることができる。自分が何かの犠牲になっているという感覚から解放され、その時間をとても大切なものと感じることができるようになる。」
【STEP5 アクションプランを考える】○まず、何に取り組みますか?→「次に突発的なことが起きて自分が必要とされたときに、これを好機ととらえて、積極的に予定を変更してその機会に応じる。」○最初のステップにおける成功の評価軸は何ですか?→「ニーズに応えた相手がハッピーと感じているか。自分が犠牲になったとの『被害者感情』を脇に置けるか。」○いつ、最初のステップのリフレクションを行いますか?→「1週間後、次のブログを書くときに、メモを作る。」○どのような自己変容が起きることが、最終ゴールでしょうか?→「短期、中長期で達成目標を掲げ、日々の予定を考えつつも、状況、周りのニーズに応じて柔軟に対応し、かつ、それをポジティブにとらえて成長の源泉にできるようになる。」
スヌーピーのフラペチーノと一緒に内省しました。